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嫌いな言葉 [思い出・雑感]

どうにも嫌いな言葉がある。例えば「自分探しの旅」。それって、何さ?
これはするってえと、旅先のどこかには今、こうしてキーボードを打って
いる私とは違う「自分」がいて、そいつを発見すると御利益があるって
ことかい、え?

私が敬愛する車寅次郎さんが、やっていたあれかい?でもあれは、おそらく
違うような気がするぜ。あれは「自分探しの旅」なんかじゃぁないね。
厄介者が身の程を知って、どこかに居場所を求めて行脚していた。ただ結局、
探しあぐねた自分の居場所は葛飾柴又にしかないことに、途中で気が付いて
しまった。ってぇことじゃないかい。(無理な江戸弁やめます)

さて次は「自分で自分を褒めてあげたい」という言葉だ。この言葉はマラソン
ランナーの有森裕子さんが言った、ということになっている。実はこれには
後日談があって、本人はそういう風には言っていないということが判明している。
確か『褒めてあげたい』ではなく、『褒めたいと思う』だったような気がする…。

この言葉は、つまり物議を醸し出してしまったわけだ。きっと有森さんは、
『自分でも、よく頑張れたと思う』というニュアンスのつもりであったのに、
『自分で、自分にうっとりしてしまいました』的な解釈になってしまった。
それを多くの人が真似をして言い始めてしまったのだ。

これに追随して「自分にご褒美をあげたい」という言葉まで、いつしか登場して
しまった。主婦なんかがよく言っているのを聞いたりする。曰く「家事労働
って大変よね。だから、へそくりでエル○スのバッグ、買っちゃった」という
類である。だって、それは自分から自分へのご褒美だもん、ってか。

私はお尋ね申したい。自分を探す?自分で褒める?自分にご褒美?って、何なの?


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めぎ

探さないと自分が見つからないほど、仮面被って演技して生きているってことでしょうね。でも、本当に探すとなるとものすごく辛い旅になるので、ご褒美あげて終わらせちゃうんでしょう。
by めぎ (2008-06-28 07:58) 

ばくはつごろう

それはですね。
マーケッティングコミュニケーション上の装飾表現に困った安易なライターが使う可もなく不可もない表現の一つです。

総じてなんのフックのない広告や紹介記事に多く使われます。

by ばくはつごろう (2008-06-28 09:44) 

g-life

自分に甘いせいでしょうか。
しんどい思いをして追い込まれながらも満足の行った仕事ができた時、
「褒美を上げよう」と自覚する間もなく、解放的な気分になって普段は我慢するようなおいしい物を買っていたりしてるようです。これが「褒美」といえば褒美ということなのでしょうかねぇ。
ところで!
私も寅さんの大ファンです。
でも、公言するのは、「オッサン臭い」と言われるのが怖くて
控えております・・・が、すごく癒されつつ、あの寅さんのセリフの
奥の深さと、下町のちゃぶ台食卓の雰囲気に、心がトゲトゲしそうな時は特に、ほのぼのさせて頂いている隠れファンです。


by g-life (2008-06-28 19:00) 

okko

表現にカッコ付けているだけだと思います。
そういうカッコよさを、受け入れて、いつの間にか常套句になってしまうのですね。
言葉の遊び的なものが、主流になっているのが現代ではないでしょうか?
by okko (2008-06-28 19:39) 

engrid

いいわけの ごまかしでしょうか?
自分で言ってしまうのは 淋しいです
お疲れさま、ご苦労さまとか言っていただけると 
その言葉だけで うれしいですけれども

by engrid (2008-06-28 22:40) 

もんとれ

わはは。まったく同じところにツボが(笑)。
「自分にご褒美」はバブル真っ只中には、もうファッション誌あたりで氾濫していた記憶が。これに「癒される~」「隠れ家的うんぬん」「こだわりの~」が嫌い項目追加です、あたくし。へへへ。
by もんとれ (2008-06-30 01:00) 

toro

同感です。何でしょうね、こういうのって。
真似をする奴らも奴ら…かと。
幸せな人たちだなあ~って思います。
薄っぺらです。
by toro (2008-06-30 08:22) 

もりけん

めぎちゃん、
すっごい!完全に自己完結してしまえるので、それはそれで
楽しいのかもしれませんね。オンリーワンは、ナンバーワン
だと決めつけている彼らには、オンリーワンがワーストワンで
あることも知ってもらわなければ。


ごろうちゃん、
ホント、ホント。広告にもよく出てきますよねー、そういう
フレーズが。何の意味もなく装飾として使うのには、確かに
便利かもですね。


g-lifeさん、
そう。何だか、分不相応なものを買う時の免罪符として、あの
言葉が使われているように感じますよね。それから寅さん!
もう、ああいった高邁な精神を持ったろくでなしはいませんよね。


okkoさん、
おっしゃるとおりですね。言葉遊びをしているうちに、そういえば
世の中、まかり通っていくんだ、と言う感覚が身についてしまうの
でしょうね。


engridさん、
本来は、自分が口にするべきではないことを平気で言えてしまう、
それが今の風潮ですかね。謙譲の精神が欠落しているから、自分で
過分なものを勝手に手に入れようとするんでしょうね。


もんちゃん、
こだわりや確信犯、と言う言葉も、もうすでに本来の意味とは違う
意味で使われてしまっている今、それは違うから〜、なんて言っている
自分こそがおかしい、って言われてしまいますからね。気をつけましょ。


toroさん、
どういうわけだか、悪貨は良貨を駆逐するがごとく、伝染していくん
ですよね、こういうことって。ただ、おっしゃるように、薄っぺらが
幸せだっていうこともあり得ますよね。
by もりけん (2008-07-01 00:26) 

みかまん

確かにたしかに..
昔大阪のおばちゃんに「日本人は猫も杓子もブランド、ブランドってなぁ」って言われて、「私も好きですけどw」って答えたら、「それは自分への御褒美やろ?それはええねん!」って言われました。ww
大阪弁のニュアンスは何かを吹き飛ばす勢いでした。
自分探し..探してる暇なんかあらへん。
自分で褒める..褒めなくても自分が好きやねん。
自分への褒美..キリが無いわ~~
のみかまんでしたぁ。
by みかまん (2008-07-02 03:18) 

mompeli

自分で自分を褒めてご褒美あげて明日に向けて頑張ってくれるならいいじゃないですか~子供の頃から何やってもグレート!ファブュラス!ふぁんたすてぃっく~!!なんて褒められるのが当たり前な環境で大きくなってしまったオージーは 褒めてあげないとお仕事しない 注意するとさっさとやめちゃう若者が多くて大変です。ま それだけ日本人が人を褒めるのがヘタってこともあるんでしょうけどね(汗)
あ だから自分で自分を褒めるのか。。。
by mompeli (2008-07-03 01:19) 

もりけん

みかまんさん、
きっと、自分で自分を褒めてあげたい、って人は他に褒めてくれる人が
いない、ってことじゃありませんか?みかちゃんであれば、エイトマン
さんが、言葉にはしないかもしれないけれど、日ごろの感謝を込めて
ブランド品をプレゼントしてくれるわけでしょ。であれば、何の矛盾も
ありませんとも。


mompeliちゃん、
そうねー、私もこれからは自分で自分を褒めながら、自分にご褒美を
あげたいと思います。あれ?なんか、この言葉って女性専用の言葉?
by もりけん (2008-07-03 02:02) 

tsukamoto

先生、ご無沙汰しております。
就職活動継続中ですがこの前テレビでデパ地下ビジネスの第一人者と言われる女性がインタビューに答えていました。その方は、「いいかどうかはいつも自分ではなく他人が決める」と言っていました。
まだまだひよっこの私ですが、その言葉を聞いた時今までの学生の社会と会社の社会の大きな違いを感じました。会社社会の法則のような言葉だなあと強く思いました。
「自分探しの旅」も「自分で自分を褒めてあげたい」もその法則からずれているから聞き苦しいのかもしれません。
by tsukamoto (2008-07-08 23:33) 

もりけん

tsukamotoさん、
そうですね、私の世代がなぜそう言った言葉を嫌悪するかと言えば、
謙譲の精神が感じられないからなんですね。奥ゆかしいとか、謙遜
する、とか、ね。手柄は部下のもの、引責は自分が、という上司が
私にとって理想なのですが、その逆がまかり通ってしまう。それが
とても嫌なんです。
by もりけん (2008-07-11 02:50) 

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