月が教えてくれたもの [思い出・雑感]
夜空を見上げれば(天気さえ良ければ)必ず月がある。満ち欠けを繰り
返しながら月はいつだって頭上に輝く。物心ついた頃から月は私の傍に
あった。
木造アパート2階にあった窓の縁に腰掛けて見上げた月は、今も変わら
ない。月を見て、人をうらやみ、肉親を恨み、自分を卑下した。睡魔が
やってくるまで月は私の心との会話に時間を割いてくれた。
「上を向いて歩こう」という歌が大ヒットした時、私は小学生だった。
けれど、歌詞の意味がなんだかとてもよく分かった。乾いた布に水が
染みこんでいくように…。そうか、上を向けば涙はこぼれないんだと。
あれからかなりの歳月が流れた。相変わらず、私は月を愛している。
つい先日も、飲んで夜道を歩きながらふと空を見上げた。そこには
見事な半月が浮かんでいた。ああ、きれいだなぁ、と思った。
肉親との縁が薄かったから、ひとりは平気だった。むしろ、ひとりの
方がずっと居心地が良かった。ひとりで本を読み、ひとりでテレビを
見て、ひとりでラジオを聞く。そして、いろいろなことを夢想した。
(夢精じゃないよ)
そんな私に、月はふさわしいような気がした。いくら見ていても見飽き
ない。そんな魅力が月にはあった。私はどうしてこれほど月が好きなの
だろうか?
若い頃、ずいぶんと悲しい思いをしたことがあった。それは、自分が
どう抗おうとしても、その濁流に呑み込まれてしまうしかなかったこと。
「諦めなさい…」その時の私に、月はぽつりと呟いた。
2010-07-22 03:03
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コメント(4)
こんばんは。
月は地球からは裏側が見れないそうですね。
頑張って月も心の裏側を見せないようにしているのかもしれないですね・・・。
by Studio-Oz (2010-07-22 22:37)
人生いろいろ、月は太陽とちがって、冷静な目でジッと見守ってくれている感じがしますね~。
by okko (2010-07-23 15:15)
夜 ふと見上げる。
月を探して、
格別なことでもない自然なふるまい
毎日、繰り返してる
見つからなければそれはそれで、おしまい
でも 見上げた先に見つけた月は いつでも美しいと思う
by engrid (2010-07-23 16:58)
もりけんさん~暑中お見舞い申し上げます。
こちらも今日はお湿りで、些かヒートアップしすぎた大地をクールダウン
…ならいいんですけど、またまた警報になりそうな勢いになってきましたよ。
この間なんか「竜巻注意報」でてましたよね。竜巻ですよ、タツマキ。
こんなにせせこましく家が並んだとこでホントにそんなものがやって来たら、
一体どう注意しろっていうんでしょうね。
こちらはこの春にまたまたお引っ越しでジタバタしておりましたが、ようやくなんとか落ち着きました。
子供達もまたまた新しい生活を始めることになってしまいましたが、
そこは転勤族のお子さま、慣れたもんでございます。
あちらではあれほど体を動かしていたコドモタチが 何を思ったのか二人して
それぞれの学校でトランペットを吹き始めました。
ワタシも吹いてみようかな~ストレス発散によさそうだ。
ではでは、厳しい季節はこれから本番。どうぞご自愛下さいね。
「ブログクルーザー」とやらがなくなってしまったので、こちらから失礼いたします~
by mompeli (2010-07-29 09:07)