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8月6日に [戦争・原爆・日本人]

6日の日に新聞のテレビ欄を見ていた。それは当然「原爆関連の番組」がどの局で放送されるのだろうか、という興味からだ。しかし、それらはほぼゼロであった。(全くなかったわけではない)正直、失望した。(当たり前だが、一応、ニュースでは報道されはしたが…)

アメリカのHBOでは、原爆の映画を1ヶ月にわたって今、流している、とテレビの報道で知った。英断?によって、お蔵入り寸前であったSATCを制作し、ある種のニューヨークブームを巻き起こした、あのHBOがだ。有料チャンネルの局として、もちろん採算性ということがかなり優先されると思われるのに…。これこそ英断!(そういえば、SATCにもエイダンという名前の登場人物がいたような…)

私はアホだ。疑う余地もないほどアホだ。だからこそ、信条は「粗にして野だが卑に非ず」である。そして、こんなアホな私でさえ、日本は被爆国として世界中に戦争の愚かしさと、核兵器の恐ろしさを伝えなくてはいけない義務を担っている筈だと考えている。

その国、日本の、それも8月6日に、マスコミは驚くほど静観を決め込んでいた。ひょっとしたら原爆を投下した国、アメリカの方がむしろ改めてあの戦争、原爆を問い直しているのでないだろうか?こんな馬鹿げたことがあっていいのだろうか?

教育とは何なのだろうか?ということを時々考える。教え、育むものとは一体?それは、いつの時代であっても、人としての道を自らの主観を交えながら若者に問いかけることではないのだろうか?そしてそれは、学問という真理を知ることと、同じように価値あることではないのだろうか?

無論、人間として未成熟であることは承知の上、それでも私は、これだけは言わなくてはの焦燥感が常にある。何を偉そうに、おまえがそんなことを言うなんて!でもしかし、飲んだくれのおっさんが「これだけは真面目に聞いてくれよな」という、ごくごく我が儘な時間を頂くことは、この年齢ならではの特権だと勝手に勘違いすることもまた、あり、だと思う。年齢は、疎ましい反面、解釈次第ではアドバンテージにもなる。

風化しつつあるさまざまな事実。形骸化していく日本人のモラル。どうして自分は生まれてきたのだろうか、ということを今更ながら考えてみることにする。(ああ、また今回も思っていることを上手く伝えられなかった…)


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めぎ

私はここ数日ものすごく多忙で、ドイツのテレビを全く見てないんですけど、去年も一昨年も、この時期、原爆の番組をやってましたよ。それに、ラジオのニュースの今日はなんの日みたいなコーナーで必ず言うし、きっとドイツの人たちにの耳によく入るのでしょう、原爆のことをよく聞かれるのもこの時期です。
by めぎ (2007-08-09 06:45) 

きりきりととと

毎日暑いですから体調にお気を付けください。
by きりきりととと (2007-08-09 12:21) 

もりけん

めぎちゃん、
以前にもめぎちゃんからも教えてもらいましたが、ドイツの方々は、きちんと戦争について考え、伝えていこうとしていますよね。そういったことは、残念ながら日本では感じません。どうしてなのでしょうね?


hyperbomberさん、
ありがとうございます。hyperbomberさんもお忙しそうだし、お身体に気をつけてくださいね。何も残していませんが、ブログは訪問しています。
by もりけん (2007-08-09 14:41) 

もん

真珠湾攻撃の日も、皆無でしたよ。
余計な気廻しのフィルターにかけず、放たれた多方面からの情報を一度飲んで、
自分の中で取捨選択させることが、本来の教育だと思うのですが、
教科書までが語らない(語らせてもらえない)のですから、なにをもって美しい国かと。
by もん (2007-08-09 21:18) 

ワタシが受けた日本史歴史教育でさえ 古代に時間を使いすぎ 昭和に入ってすっ飛ばし…という感じでしたから その世代が教師になっていると思うと かなり意識的にならなければやはり最後の戦争はすっ飛ばしになっていて 生徒が教室でそれについて考える機会は本当に少ないのではないかと思います。でも今思うのです。その当時からその時代の先生にとっても「戦争について教える」ことはとても難しかったのではないかと。 戦後日本に入ったGHQはかなり大がかりに日本人の戦争に対する意識を操作したといいます。つまりあの戦争での敵国はアメリカや諸外国ではなく 一部の日本軍人にある つまり日本国内に有していたものなのだ…といった類のものです。その結果 日本国民は学校などで国の旗を掲げたり 国の歌を耳にするに居心地の悪い思いをすることになってしまった…という流れでとらえると 日本人としてのアイデンティティを確率できないまま育っている子供達がどんどん増えている。日本人としてのモラルの形骸化ということも そういうところからきてるんじゃないかなと思ったり…スミマセン 8月になるとそんなことをつらつらと考えてしまうので なんかいっぱい書いちゃいました(汗)
by (2007-08-09 21:19) 

カミノです!

だいぶご無沙汰しておりました!お元気ですか?
さて私事ですが、去る5月7日に第一子となる女の子を出産いたしました~。ご報告がだいぶ遅くなってしまって申し訳ありません・・・。気が付けば、もう8月。出産、そして育児の大変さは予想以上です・・・。でも、毎日疲労困憊の中、もりけんさんのブログはちょくちょく見ておりましたよ!

ところで、私がもりけんさんのブログにはじめてたどり着いたのは、去年の【原爆に思うこと】という記事からでした。そして、今年も「原爆」についてブログをとおして意見を述べるもりけんさんに、改めて好感を抱いております。
そうなんですよね。年々、戦争史実特集という内容のものがTVから消えつつあることに、私もずっと気になっておりました。

戦争体験者の高齢化が進み、戦争の恐ろしさをきけなくなっている現状に比例して、もっとTVとかマスコミには生々しく、人間の愚かな歴史の事実を放映して欲しいと思います。

先日、10代を視聴対象にしているNHKの番組HPの掲示板を見てて、ぞっとしました。「戦争は技術進歩をもたらしている」とか平和に対してできることのあるなしの問いかけに「無いね」とあっさり言い切っている子達の、あまりに冷めた書き込みの数々。今の子供達は恵まれた環境すぎて、リアルに感じることが出来ないのでしょうね・・・。なんか哀しくなっちゃいましたよ。

なお、私も8月6日、9日、15日には戦没者の方々に黙祷捧げてます。
自分の子供には、ちゃんと戦争の悲惨さを伝え、自分の目で見たことしか信じない、想像力に欠けた子にしないよう教育していきたいと思います。
by カミノです! (2007-08-10 11:54) 

tsukamoto

私の学部にアメリカ人の戦争研究者がいます。私が生まれた年に来日されたようです。その方は3年前に神風特攻隊に参加した人とその親戚にインタビュー調査をし、本を執筆して母国アメリカで出版しました。amazonでも購入できます。
現在、翻訳版を日本で出そうと試みているそうですが、出版社の意向から内容改変を迫られたりしてだいぶ苦労されているようです・・・。
アメリカ人のホンネのようなものを今こそ知るべきだと思うのですが。情報操作って必要悪かもしれませんが、強烈過ぎるものでもありますね。先生の記事を読んで改めて考える機会になりました!
by tsukamoto (2007-08-13 10:23) 

もりけん

もんちゃん、
日本人にとって、忘れてはならないこういった日付。私たちが子どもの頃(今でもそうかも知れませんが)源氏物語や方丈記などの書き出しや有名な部分を暗記したように、当たり前の日本人として、そのことを知っていること。そしてその日何が起こったのかを教え、考える機会を与える。そんなことをするだけでも、今の若い人たちは変わるような気がしますが…。


mompeliちゃん、
日本人のアイデンティティ。mompeliちゃんのように海外で生活していらっしゃる方々には、ひょっとしたら我々日本で暮らす日本人とは比べものにならないほど、それが問われるケースが多いのではないでしょうか?島国で、多様な価値観に対しての自らの見解など、ほとんど求められないこの国では…。仮に異なる意見を述べる輩がいても、アンモラルなことへの批判ではなく、それを許すことが優しさだ、といったような的外れな意見?。私は古いのかも知れませんが、日本の国旗は美しい、と思います。世界一優れた国旗デザインだと勝手に思っています。卒業式で聞く国歌には反応しませんが、国際イベントなどで聞く国歌には感動を覚えます。自分を形成するDNAに誇りを持つことは大切なことだと思っています。


カミノさん、
自分たちの子どもに教えなくてはならないこと、それってそれほど沢山あるわけではないですよね。あるひとつの言葉を教えれば、かなり広範囲にそれは当てはまります。私は親から「自分がよければいい、と言う考え方がもっとも愚かな考え方だ」と教えられました。(その通りに育っているかは疑問ですが…)「人様から後ろ指を指されるよなことはするな」とか、昔の親たちが言い続けてきた言葉と、戦争を経験した世代がそれらの言葉に新たに加えていく言葉。そういった日本の親なら、必ず口にする(べき)当たり前の言葉の群れ。それらが無くなっていけばいくほど、日本人としてのアイデンティティも失われ、どこの国の価値観だかわからないような主義主張とごっちゃまぜになってしまう。だから言っていることに一貫性が感じられなくなっていく…。なんて思いますね。

tsukamoto君、
広告を学ぶ時に、戦争はどうしても外せないよね。ま、実際には「宣伝」にカテゴライズされるとは思うけど。特定の価値観をより効果的に浸透させるためにされたさまざまなこと。私たちは広告を制作する立場としての人間として、それらを学び、倫理観を涵養していくことも、ある種の義務だと思いますね。
by もりけん (2007-08-14 16:48) 

みかまん

パールハーバーのことが授業で取り上げられる日には、フクザツな気持ちを味わい、広島を尋ねて心に刻むものがある..アメリカに住む息子や娘は
外にいるからこその体験ができてるのかもしれません。
教育とは感じる事でもある..のなら..そんな環境を与え続けるのもオトナの義務なのかもしれませんね。なんて思ったもりけんさんの記事でした。
by みかまん (2007-08-20 21:00) 

もりけん

みかまんさん、
アメリカに暮らしているみかまんさんは、きっと私たちが全く知らないアメリカを知っていると思います。しかも、戦争なんてものは国と国とのことであって、人間同士は結局「いい奴はいい奴」ってことで、個人対個人になればまたこの人にはそんなことを言うべきではないな、なんて思うこともしばしばですよね。そして、必ず言えるのは、みかまんさんのお子さんたちは、ご両親の背中を見ていろいろなことをいっぱい学んでいる、ということです。ぜーったいに「いい奴」。これ、これ、これが大切!
by もりけん (2007-08-22 02:36) 

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