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危険、ですか!? [日本人]

かなりの期間、全く更新しないこのブログを自分自身で時々のぞき見て驚いていたことがあった。それは閲覧してくれている人が毎日必ず数十人いる、ということだ。ソネットのカウントの仕方が私にはよく分からないので、果たして読んでくれていたのか、あるいは偶然アクセスしてしまっただけなのか、そのあたりはもちろん藪の中である。そんなことを思っていたら、久しぶりに書いてみようか、という気持ちになった。まぁ、我ながら勝手な理由だとは思うが、お久しぶりです、みなさま。ちょっと書いてみたいこともあったので、3ヶ月ぶりに更新します。

実は、前々から気になっていたことがあって、そういうものなのだろうか…、と思っていたところに、ある出来事が起きて自分がその張本人になった(された)というお話である。

それは「危険」と呼ばれること(もの)の本質。何だかもったいぶった始まりで恐縮だが、先日、経験をしたこんなできごとから、よりいっそう考えることが多くなったのだ。

8月に友人の家族たちと川遊びをするために足助という山の中にある町に行った。そこには鮎も釣れる巴川という川が流れていて、夏になると多くの人が川遊びをしにくるところだ。その帰りに今度はもっと山の方へ行ってバンガローで1泊してBBQをするという段取りになっていた。毎年そこに行って小さな子供は川につかって水遊びをしたり、われわれ大人は釣りをしたりして時間を過ごす。もちろん、釣りは禁止もされていないし、川に入って(つかって)いる人がいる場所では釣りをすることはない。というより、去年まではそれほど数多くの家族連れや友人連れをここで見かけることはなかったので、何の問題もなく川縁の時間を過ごしていた。

ところが今年はとても人が多く、日曜日だったこともあって混んでいた。こういうときの若者や今どきのファミリーの傍若無人さは目に余るものがあるが、私にも免疫が出来ているので自分たちのスタイルで川遊びを楽しむことにして無視していた。実際、どう考えても人数よりも過剰に大きなビニールシートを敷いて通行の妨げになっている。あるいは所かまわずBBQを始めているグループ、数知れずといった状態だった。推測するにおそらくネット上でこのポイントが流布されたのだろう。だからこのような状態になった…。それは仕方のないことだ。

とはいえ、川で遊んだことがある方ならおわかりだろうが、川は流れが速いところや深いところがけっこうあって、実際には「泳ぐ」という行為はほとんどしない。浅瀬で水遊びをしたり、流れに注意しながら水につかるものだ。まぁ、よほど泳ぎに自信がある人や、危険を顧みない蛮勇をお持ちの方はその限りではないが…。

そんな場所で、いかにも急流で水深も深そうということで、誰もいないスペースを見つけた。早速、金680円也で買ってきた釣り竿を出して釣りを始めた。周りにいた人も「釣れますか?」などと興味津々で話しかけてくるお父さんと子供とか、言うなれば川に入って遊ぶ人と、川で釣りをして遊ぶ人が、当然だが共存してお互いにマナーを守ってスペースを配分していたわけだ。

餌は今日のBBQ用に買ってきたハムを小さくちぎったものだ。こんな仕掛けでも白ハエあたりだとそれなりに釣れる。釣った白ハエは、毎年だがBBQの時に焼いて食べる。うちの奥さんは苦いのが好きらしくて喜んで食べてくれる。

するとしばらくして、主婦らしき女性がこちらにやってきて文句を言い出した。風体などの描写をすると恣意的になるのであえてやめておくが、まぁ、強烈に信じているものがあるという雰囲気。
文句の内容は「ここであなた方が釣りをすることは危険である」「あなた方がここで釣りをしているから子供たちは(ここで)川に入って遊べない」「まわりの人間も困っている」というようなことだった。私は、危険だとは思わない、という旨を伝えた。何をして「危険」というのかが理解できなかったからである。何でもかんでも自分が「危険」と決めつけたものは排除する、あるいは糾弾するのは間違っていると私は思う。であれば、かなりの高さがある吊り橋の上から川に飛び込む若者は、私から言わせればあきらかに「危険」である。川にいる人にぶつかってしまう可能性のある愚かな行為には目をつぶり、本来誰のものでもないスペースを、自分たちが優先であるという理屈が愚かだと思う。

マナー、という言葉がある。例えば、その主婦が何故、川に入る人が誰もそこにいなかったか、という理由を勘違い(流れが速くて危なそうだからいなかった)して、私たちが釣りをしていたからだと思ったとしても、ものには言い方というものがある。マナーをわきまえているのであれば「ここで遊ばせてもいいですか?」と尋ねるべきではないだろうか?あまりこういう表現は使いたくはないが「優先権みたいなもの」が、本当は微妙に存在するものが世の中だと思う。しかも、それは当然だ。朝早く来た人はそれなりに自由に自分たちがくつろぐ場所を選ぶことが出来る。私たちが釣りをしていた場所が、明らかに私たちにその微妙な「優先権みたいなもの」があった、とは言わない。先ほども書いたように、その川は私たちのものではないからだ。そしてそれは、その主婦や主婦の家族のものでも(当たり前だが)ない、ということでもある。

彼女は何度となく「危険」という言葉を用いた。その周りにいる、化粧の濃い女性の集団も同じように主婦の意見を支持して「危ない、危ない」と同調していた。私は反論をやめて釣り竿をたたんだ。ここで見えてくるのはこういった理屈だ。つまり、自分の子供が歩く道を「危険」な自動車が通行することはまかりならん!あるいは、公園でけがをするのは「危険」な遊具をきちんと管理していないからだ。

いつからそんな風になったのかは分からない。しかし、そのことから私は、以前アメリカで濡れた猫を乾かそうとして電子レンジに入れたら死んでしまったから慰謝料を払え、という裁判のことを思い出した。(原告勝訴)けれども、それは電子レンジが「危険」なのではなくて、電子レンジをつくったメーカーが悪い、あるいはその使用説明書が不備だと平気で言えるものの見方の方が、はるかに「危険」なのだ。(と思う)

ものの道理とか、良識とか、謙譲とか、自省とか…、全く感じられないことの方が私は恐怖である。残念ながら、おそらくこのような私の考え方も、その主婦から見ればきわめて「危険!」なのであろうが…。


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きりきりととと

お久しぶりでございます。
涼しくなってきたと思ったら急に冷えて、夏の疲れもどっと出てくるこの季節、お元気そうでなによりです。

記事を拝見して自分ももりけんさんと同じような感慨を受けました。
こういう時自分はいつもこう思い、引くことにしています。
「極度に断定的であるのは何かに怯えているか、愚か者か、あるいはその両方だからだ」
by きりきりととと (2006-09-13 22:40) 

もりけん

hyperbomberさん、お久しぶりーっす。
なんだか学校のクラス会で同級生と再会した気分です。

ところで、また長々と書いてしまいましたが、hyperbomberさんが
書いてくれたように私も思うことにします。ありがとうございました。
by もりけん (2006-09-13 22:59) 

yukki-

おはようございます!
そしてお久しぶりです^^

私が太ったのは某ファーストフード店のせいだ!…っていうのを
思い出しました(笑)
でもアメリカって、薬にしても日本では許可されてないものが多いじゃないですか? 「ここに売ってある薬は全部お売りできますよ
でも使うか使わないかは、あなた自身が判断してから決めてくださいね」って
いう考え方が好きなんですが、良くない結果ゆえのこういうのはどうなんでしょうかね?(笑)

私も昨日、娘を車に乗せてるときに【オバチャン】に対して
腹立たしいことがありました
車中「この○ソババ~」って言ってたら、娘が「お母さん、こわい…」って(笑)
でもせっかくだから「こういうこともあるんだよ」っていうのを教えました♪

ここに出てこられる主婦らしき方(どんな風体かは勝手に想像しますね)は
危険ということを口実に、単に子供たちを遊ばせたかったのかな?って
思いました
…私、他の人に嫌な思いさせてまでしたくないけど…
いや、そんなことをするくらいなら
自分が嫌な思いしたほうがマシかな(笑)
今朝は、この世で最もキケンな生き物についてでした(私も近づいています…)
by yukki- (2006-09-14 09:14) 

もりけん

yukkiさーん、お久しぶりです。
みーちゃん、元気になられましたか?ご主人は2キロお太りになられた
そうで…。(私もこっそり体重計に乗りため息をついています)

さて、コメントありがとうございました。結局その主婦の子供たちは、
そこでは全く遊ばず(釣りをやめた後、あんなに流れの速いところで
本当に遊ばせるつもりなのか、観察していました)違うところへ行って
しまいました。そのお母さん(主婦)の言うことは全然聞かないって
感じでしたよ。うちの奥さんが言っていましたが、その前から言うことを
聞かなくて、イライラしていたらしいです。ですから、私たちが釣りを
やめた後も、その場所はずうっと空いたままでした。
by もりけん (2006-09-14 14:31) 

みかまん

危険危険と騒出でるのに、子供が入れない、困る??ン?
何だかよく分からなかったんですが..
自分勝手な主張を、子供がらみでっていうのも嫌ですね!
先生だろうが、守るべきマナーの必要な公共の場であろうが、子供のためと称して、自分だけの理屈をふりかざす。大体最近の日本はおかしいですよ!
帰って感じるのは、み~~~んなバラバラ。
...なんてちょっと憤ってしまいました^^;ごめんなさい。
その後エンジョイされましたか?せっかくの休日が楽しいものであった事を。
by みかまん (2006-09-15 11:05) 

もりけん

みかまんさん、無事、お帰りになられたようでよかったです。
そうですね、日本はかなり「おかしい」ですね。人種のるつぼ、
アメリカという国だからこそ民族間のモラルの中庸と客観を標榜して
つくられ整備されてきた「約束事」。正義感、というより公平感を
主体にしたものの見方考え方を、あきらかに日本人は誤解しています。

ところで、その後は友人たちと楽しく過ごすことができました。
わずかな時間で釣ったシラハエもBBQにして食べちゃいました。
by もりけん (2006-09-17 07:26) 

けいぞう

いや、ホント、この国大丈夫かと思いますね。加速度的におかしくなっているような。理屈が通用しないときは、いまや「釣り竿をたたむ」のが一番賢明かと思います。ちょっとシャクですが、本当に譲れないときのために、その怒りはためておくと考えてはどうでしょうか。
by けいぞう (2006-09-17 13:45) 

もりけん

けいぞうさん!
自分自身も本当は怒るようなことではないことに腹を立てているような
気もするし…。
こうして書いていると、自分のことを正当化しているみたいで
それはそれで「俺って嫌な奴!?」って思っちゃうし…。
上手く言えませんが、私が腹立たしく思う人たちはきっと意志を伝える
表現方法が我々と違うんでしょうね。
by もりけん (2006-09-17 17:54) 

カミノです

今日、私も仕事で、「謙虚さ」のかけらも微塵もない、自分が一番正しい!という客に思い切りクレームつけられました。更に上司を出せと言われ、上司を巻き込むまでもない話なのに、迷惑をかけた形になってしまいました。
私の仕事と言うのは、主に「母親」と呼ばれる方とかかわる事が多いのですが、確かに子供が大事なのは分かるんですが、子供を盾に「母親の要求を全て果たすのが貴方たちの仕事でしょ!」といわんばかりに猛攻撃してきました。
話し方が、一癖も二癖もある方で(回りクドイ)要注意人物ではあったのですが、
コチラの言い分もわかって欲しいと伝えたのが、相手の逆鱗に触れたようなのでした。
この話については、後ほどブログに詳しく書き込みますが、本当に腹が立った件でした。母親ってのがそんなに偉いのか!母親・子供が中心に世の中回ってると思うなよ!って言いたいです!!!
これもきっと、少子化と騒がれている昨今、子供を増やしたいのなら国がなんでもやってくれて当たり前、少子化をとめたいのなら、こちらの要望は満たすべきだ!という、舐めきったクサレ根性の母親が増えてきているせいではないかと推測しております!!!そんな母親がいるから、事件を起こしたりするおかしな子供は増えるわけですよ。
しかし、お互い、理解不能な思考の人とは、できるだけ接点は持ちたくないですよね!
追伸。絶対、私はそんな親にはならないぞ!!と熱く誓った夜なのでした。
by カミノです (2006-09-29 00:24) 

もりけん

カミノさん、まったく、ねぇ…。
本当に今どきのああいった方々と遭遇すると、私はつねに言葉を
失います…。カミノさん、あなたの力でそういったクサレ根性の
母親を駆逐してください。(笑)
でも、今日もテレビで誰かが言っていましたが、万引きをした子供に
親が「あんなことをしたら、あなたの将来が台無しになるわよ」と
言って、怒っていたそうです。なんだかなぁ…。先ず、万引きが悪い
ことなんだ、って言って怒れよ!ですよね…。
by もりけん (2006-10-01 21:44) 

けいぞう

あれ、もりけん兄さん、アイコン変えたんですね。先日いただいたnice!のほうも自動的に変わったんで気づきました。これ、もりけんさんとこのワンちゃん?
by けいぞう (2006-11-09 22:56) 

もりけん

あ、これはもう30年くらい前に撮った写真です。(戌年のときに
年賀状にしました)そのころは写真を撮るのが大好きでいつも
カメラを持って歩いていたんです。で、このわんちゃんは、私が
住宅街を歩いていたら、いきなり塀の四角い穴から顔を出して私に
向かって吠え始めたので写真を撮ってやったのです。みんなは私が
いやがる犬を無理矢理穴に突っ込んだと思ったみたいで、ひどい奴
だと言われました。
by もりけん (2006-11-10 17:29) 

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