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月が教えてくれたもの [思い出・雑感]

夜空を見上げれば(天気さえ良ければ)必ず月がある。満ち欠けを繰り

返しながら月はいつだって頭上に輝く。物心ついた頃から月は私の傍に

あった。

 

木造アパート2階にあった窓の縁に腰掛けて見上げた月は、今も変わら

ない。月を見て、人をうらやみ、肉親を恨み、自分を卑下した。睡魔が

やってくるまで月は私の心との会話に時間を割いてくれた。

 

「上を向いて歩こう」という歌が大ヒットした時、私は小学生だった。

けれど、歌詞の意味がなんだかとてもよく分かった。乾いた布に水が

染みこんでいくように…。そうか、上を向けば涙はこぼれないんだと。

 

あれからかなりの歳月が流れた。相変わらず、私は月を愛している。

つい先日も、飲んで夜道を歩きながらふと空を見上げた。そこには

見事な半月が浮かんでいた。ああ、きれいだなぁ、と思った。

 

肉親との縁が薄かったから、ひとりは平気だった。むしろ、ひとりの

方がずっと居心地が良かった。ひとりで本を読み、ひとりでテレビを

見て、ひとりでラジオを聞く。そして、いろいろなことを夢想した。

(夢精じゃないよ)

 

そんな私に、月はふさわしいような気がした。いくら見ていても見飽き

ない。そんな魅力が月にはあった。私はどうしてこれほど月が好きなの

だろうか?

 

若い頃、ずいぶんと悲しい思いをしたことがあった。それは、自分が

どう抗おうとしても、その濁流に呑み込まれてしまうしかなかったこと。

「諦めなさい…」その時の私に、月はぽつりと呟いた。


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肩に載っているもの [雑感]

おじさんは、肩を組むのが好きだ。特に、若い人と組むのが好きだ。

できれば妙齢の女性が本当は内心うれしいのだが、相当なリスクが…、

即ち「セクハラ」と糾弾されてしまうので逡巡した挙げ句、近くに

いる若い男性の肩で妥協して組んだりしている。

 

おじさんが望んで組むその若い肩は、細く、頼りなく、乾燥しているが、

これからの希望のようなものがちょこんと載っていることが多い。

おじさんは、それが希望のようなものだということに気が付いている。

 

だから、ふとしたはずみにその希望もどきが、じぶんの手のひらや

二の腕を伝って、こちら側につつっ、と来たりしないだろうかと期待

したりしている。

 

おじさん同士が肩を組むと、その肩はじっとりと汗ばんでいるから、

あとでそっと触れた素手の部分をおしぼりで拭いたりする。しかも、

明らかにときめきを覚えるようなものは、おじさんの身体には載って

いないので、あっさりとそのおしぼりに粘り気だけをなでつけてお終い

にする。

 

ごくたまに、それでも、いかにも、予想外に。渋く、かっこよく若い

肩には決して載っていない「希望の先にあるもの」がどうどうとその肩を

占領しているおじさんがいる。

 

ああ、あれはきっと達成感みたいなものなんだろうなぁ…と。ただし、

いくら手を伸ばそうが、つかもうとしようがどうにもならず、それは

肩や背中で鼻歌を歌いながらひらひらと踊っているだけだ。

 

そういういい感じのおじさんと間違って肩を組んだりすると、私は落ち

込む。同じおじさんなのにと。しかし、落ち込んだことをすぐさま忘れて

しまうのもおじさんの私なので、飽きもせず肩を組み続けている。


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いやんなった〜。 [雑感]

ずいぶん更新をさぼってしまった。実は、選挙プランナーのような

仕事もしていたので、それで多忙だった。他の仕事も重なって…。

 

しかし近ごろやたらと感じることがある。それは、人間関係に

おける軋轢だ。私の価値観は、もうすでに古いのかもしれない…。

 

メールを受け取る。受け取りましたよ。と返信を送る。これは普通の

ことだと思う。仕事でのメールのやりとりであるから、着いているのか、

その送られてきたものについての意見はどうなのか。それが気がかり

なのは、誰しもだと思う。

 

しかし、返信は来ない。やがて不意打ちのように、あの件ですが、と

ずいぶん前に送った件について、明日までに対応して欲しい、などと

連絡が来る。

 

ふざけるな。君は、仕事を、そして、君の仕事をサポートしてくれて

いる人々を軽んじすぎている。

 

私が伝えたいのは、対価の問題ではない。ギャラをよこせ、と言って

いるのではない。その不誠実で、無責任な、君の態度についてだ。

 

遊びと仕事は別だ。遊ぶときには、徹底的に遊べばいい。けれども

仕事は別だ。仕事には「命」がかかっている。それも、みんなの

「命」が。君に、そんなことを言っても全く無意味なことだろう。

 

実は、君の行為によって、私は自分の仕事にさえ疑問を持った。私は

馬鹿みたいだ。君の仕事がうまくいくことを願って力を尽くしたこと。

 

私は、私の、私が、そして、私を。全て、虚しく砂の中に吸い込まれて

いく。


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素敵なおばさんになろう! [雑感]

ツイッターとかブログとか見ていると、何だか女性、それも結婚している

女性や、明らかに40代前後からそれ以上の女性に向けて「美しくある

こと」をかなり熱く語っているものが多いことに気が付く。

 

それもほとんどのパターンが、女性だけのグループ(チーム?)があって、

お互いにその思想?がいかに素晴らしいかを補完するようにつながって

いる。しかもご丁寧にみなさん顔出しまでしていらっしゃる。そこに

登場する女性たちは美しく着飾って、楽しげにパーティーやら食事会など

充実した毎日を過ごしていらっしゃるようだ。

 

また、話題はエステ、ネイル、コスメ、ダイエット、ファッション、グルメ、

などなど。そればかりではあまりにビジネス丸出しなので、一応他の話題も

混ぜ込んではある。だが、読み込めば読み込むほど、ほとんどの場合は

自らのビジネスに誘導しているようにしか見えない。

 

素敵でしょ、私の生き方!娘といたら、お姉さん?と言われたわ!昨日は

モデルの  ちゃんと情報交換!…!

 

いーえ、けなしている訳じゃありませんよ。今や趨勢は「そっち方面」で

あることに異論はございませんとも。

 

そんなにきれいな中年女性(おっと、こういう表現は反感を買ってしまう)

のみなさんには、仮にお子さんがいたとしても決して「お母ちゃん」とか

「おかん」なんて呼ばせることはありえないのだろうな、もちろん。

 

若さは素晴らしい。けれども年月を経て刻まれた皺もシミも十分に素敵だ。

美しくあろうとする努力を否定する気は毛頭ないが、ちょっと違うんじゃ

ないか、と感じてしまうのは私がひねくれているからかも知れない。

 

自分磨き…、って、そういうことだったのか。自由に生きる、って、

そういうことだったのか。ある方のブログを見ていて、いかに自分が

女性について無知であったかを知った私だった。


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関さんのこと [思い出・雑感]

関さんは、元活動家だってみんなが言っていた。それでも私が知っている

関さんは、いつものように仕事が終わると酒屋に直行してウイスキーと

ビールを、まるでカフェ・オレのように半々で入れる飲み物を笑顔で

飲んでいる人の好い、ただのおじさんだった。

 

関さんは、歯医者に行くのが嫌いなのと面倒なのが重なって、ずいぶんと

歯がなくなっていた。緑色の作業服を着てディーゼルのワンボックスを

運転して、全ての荷物の集荷が終わるとそれ、関さんは「爆弾」って呼ん

でいた、その酒を事務所で飲みながら、歯のない口で笑っていた。

 

訛りがきつくて、時々何を言っているのか分からなかったけど、関さんは

私のお気に入りの人だった。バイトで始めた荷物の配達や集荷をする

運転手の仕事。そのバイト先に関さんはいた。

 

当時、私は何になりたいのかも分からず、母親が倒れたのでてっとり早く

免許さえあればできるそのバイトを探してきた。朝の5時頃起きて、6時半

頃に作業場に行き、各方面から届いた荷物を仕分けして、仕事が始まる前

のオフィスにそれらを届ける。昼は「宅急便」という奴を各家庭に届ける。

夕方からは各オフィスからの荷物を集めて来て、宛先別に仕分けして帰る。

それがほぼ8時半頃。メシを食って風呂に入ったら、そのまま疲れて寝て

しまう。そんな毎日を2年くらい過ごした。

 

お昼頃に、オフィス街にある公園の横の道を通ると、よく関さんの車が

停まっていた。助手席側の窓に足の先を出して、そこで関さんは寝ていた。

事務所に帰って「関さんの車、見ましたよ」と言うと「おお、そうか」と

ちょっと照れくさそうに答えた。

 

事務所は相当に古い木造の建物だったが、関さんはそこの2階に住んで

いた。年齢は50歳くらいだったのだろうか?いや、本当はもっと若かった

のかも知れない。過去のことは一切話さなかったし、家族の話も聞いたこと

がなかった。

 

運転手の仲間は、関さんは実はすごく喧嘩が強くていくつもの武勇伝が

あるとか、最初に書いたように、以前は政治的な思想を持って活動して

いたんだ、と私に話してくれたが、半信半疑だった。だって、関さんは

いつもニコニコしていて、怒るようなこともなかったし、感情を爆発させ

るようなタイプには見えなかったから。

 

いちどだけ意を決して関さんに聞いたことがある。そしたら関さんは「そん

なわけないだろうがー」って、笑いながら「爆弾」を飲み干した。関さんに

言わせると、いちばん早く酔っぱらうにはこれが最高だそうで、それも

立て続けに何杯も飲んだ。

 

1980年、私は今で言うフリーター。進む道さえ見つけられず、何の目標も

ない毎日を送っていた。


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キャンプ [思い出・雑感]

中学の頃、友人に誘われてキャンプに行った。と言っても今から

40年以上も前のことなので、コールマン、とか、ドームテント

とか、所謂アウトドアスポーツ、なーんてかっこいいものでは全く

ない!山へ行って平屋の家(バンガローなんて代物では全くない!)

に、泊まる。そんな感じのキャンプ。

 

その家(山小屋)は、三重県の石水渓という場所にあった。友人は

以前のブログ(http://moriken-life.blog.so-net.ne.jp/2008-09-16)

にも登場したFだ。そのFがある日、別荘にキャンプに行かないか、

と声をかけてきた。

 

まぁ、Fも私もどこから見ても「ザ・ど庶民」なので、そのキャンプ、

あるいは別荘、という言葉を発音するだけで、何だか金持ちっぽく

聞こえて、えらくご満悦になった。「行く!行く!」ピンク映画の

主演女優のように私は絶叫…。

 

もちろんふたりだけではいくら何でも危ない、ということで近所に

下宿していた大学生のお兄ちゃんに、一緒に行って欲しいと頼んだら、

あっさりOKしてくれた。そのお兄ちゃんは前にもそこにFと行った

ことがあったそうで、Fの家族ともそれなりに懇意だったらしい。

 

いよいよ山へ行く日が来た。米だのニンジンだの、その日の夜に

食べるカレーの材料とか、諸々を持って出発した。名古屋駅までは

バスで行き、そこから国鉄関西線で亀山駅まで行った。今ではすっかり

見かけなくなった蒸気機関車はまだまだ現役でC61だったか、

まさしくそれに乗って亀山まで行き、意気揚々と下車した。

 

亀山駅からは歩きだ。昨今は家電量販店などでは「世界の亀山モデル」

などと謳って液晶テレビを販売しているが、当時はローソクの町、

亀山だ。でっかいリュックを背負って、みんなで歩き始めた。歩いた…。

しかし、歩けども、歩けども、ちっとも着かない…。車もぜーんぜん

走っていない。

 

こりゃ、けっこう大変だなぁ…。そうは思ったが、やはりやがて

到着するであろう「別荘」に胸をときめかしていた。想像では高床に

なっているログハウス。周りには白樺林…。近所にも同じような

別荘があり、都会の喧噪を避けてやってきた本物の金持ちが家族で

静養に。しかも、なぜかその家族には私たちと似たような年頃の

娘さんがいる!また、むちゃくちゃ垢抜けていて可愛い!!

 

期待と妄想で頭の中をパンパンにしながら、やっとの思いでたどり

着いたF言うところの「別荘」は、ただのぼろい日本家屋だった。

周りは森。ちなみに白樺ではなかった。あえて言うまでもないだろうが

電気もない。水は山からの水を貯水槽に貯めてあるものを使う。

 

季節は晩秋だったと思う。明るいうちに火を起こして米を炊き、

大きめの鍋でカレーをみんなでつくった。味は正直、おいしいとは

感じなかった。それでも、薪で風呂を沸かし布団に入る時には

妙にうれしいような高揚した気分が残っていた。

 

石油ランプを頭の方に置き、布団に入ると大学生のお兄ちゃんが

話をし始めた。目をらんらんと輝かせながら私とFはその話を聞いた。

 

翌朝、私とFは、どうしたら赤ちゃんができるかということを知り、

少し大人になったような気分に浸っていた。きっと、このことは

同級生の連中は知らないに違いない!ふふふふふ。子どもたちめ。

 

私が早熟であったのは、このような経緯が影響しているのかも知れ

ない


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ツイッター・婚活・できちゃった婚。 [雑感]

仕事のからみもあって、ツイッターを始めた。みなさんよろしくです。

1919morikenでございます。

 

と〜ころで、何でもかんでも言葉を短く(省略)したり、新しく

つくってしまったりと、いうのがこのニッポンの今の流れになって

しまっているようだ。

 

そもそも省略するのが格好いい!、というようなことになったのは

いつごろからなのだろう?もちろん私の推測で、全く不確かなこと

だが、ひょっとしてキムタク…あたりから?ま、その前からも

もちろんあったには違いないが。例えば、森田健作が森健(いえ、

私も、もりけんですが…)と呼ばれたり。

 

ただ、それにはさほど「格好いい」といったようなニュアンスはなか

ったような気がするがどうだろう。

 

それから、全く新しい言葉もいくつもある。あるいは、それこそ

全く意味が真逆になってしまったものも。「やばい」なんていうのも

その代表格だろう。私には分からないが、やばい、は格好いい、に

近い意味にもなるらしい。去年のラグビー大学選手権で優勝した

早稲田のキャプテンがさかんに「やばいっす」と言っていた。

 

さて、ここからが本題だが。全く新しい言葉について書きたい。

とにかく盛んに使われ、頻繁に耳にする言葉は「婚活」だ。

 

私はこの「婚活」。それから「できちゃった婚」という言葉が、どう

にもこうにも嫌いで嫌いで仕方がない。

 

何だか、純粋であるはず(一応そういうことにしようじゃないか)の

恋やら結婚が、これではまるで就活(爆)ではないかい?明らかに

打算ではないかい。婚活は、条件をインプットして出された回答が、

ちょい難しければ条件を下げていき、最終的に我慢!できそうな

ところで手を打つような…。いやはや、これでは就職活動と同じ

ではないか!

 

できちゃった婚。おーい、この人の子どもが欲しいな、とかだ。

この人に自分の子どもを生んで欲しいな、とか。そういうことで

子どもはできるもんじゃないのかーい?別に子どもができた後に

結婚をすることがいけない、とは思ってはいないが、いくら何でも

「できちゃった婚」なんて言い方はおかしくないか?

 

私は、この「ちゃった」が許せない。この「ちゃった」は失敗した時

とかに使う言葉じゃないか。それも、半分ごまかし(許してもらおう)

責任の所在を曖昧にしようとしているニュアンスが含まれている。

さらに言うなら少々の後悔の念も感じられる。感覚でいうなら「しま

った」という言葉が近いような気がする。

 

ツイッターではつぶやききれないのでブログにて。


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猫とアヒル [広告]

猫とアヒルのCMが嫌いなのだが、どうやら好感度は高いのだろう。

結婚式を機に保険に入りなさい、ということなのだろう。ま、

それはいいだろう。しかし、子ども相手の商品でもなかろうに、

なぜ、あんなに甘ったるくて、どうにも幼稚なのだろう?

 

ああいう表現は「可愛い」のか?それとも「素敵」なのか?

私には理解できない。幸せよ、と言っているのだから、おそらく

幸せ、を継続するためには「保険」が不可欠だということなの

だろう。ま、いいけどさ。

 

全く話は変わるのだが、20歳の頃、交通事故で怪我をしている

犬を見つけた。もがいていたので獣医に連れて行ったら怒られた。

「何で助けてきた?」と。そして「お前はこの犬が元気になったら、

飼うつもりなのか?」と言われた。「いいえ」と答えたら「だったら

放っておけ」と。獣医は続けた。「誰だって、可哀想だと思うんだ」。

 

私はその獣医の言葉を今でも忘れない。親切なことをしている

ように見える自分が好き。優しそうに見える自分が好き。だから?

余計なおせっかいで傷つくことだって、世の中にはいくらでもある。

 

私が感じる「幸せ」は、きっと他の人が感じるそれとは違うのかも

しれないってことかな?ま、いいけどさ、それで。


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ジュリー [雑感]

この前、ジュリーのコンサートに行ってきた。いやはや30年ぶり

くらいだろうか。以前行ったのは「AWONDERFUL TIME」の時。

もちろん昔からのファンで「人生60年 ジュリー祭り」のCD

買って聴いて、いいなぁ〜、なんて改めて思い調べてみたら、名古

屋に来ることが分かり慌ててチケットを予約した。しか〜し、今、

ジュリーのコンサートは発売・即ソルドアウトなんですよ、奥さん。

チケット、確保するのに、はい、けっこう苦労しました。

 

でもって、行ってきました。昔の曲はほんの少ししか演らなかった。

ほとんどが最近の曲。ちょっとがっかりの反面、ストーンズもそう

だけど、ちゃんとアルバムを出してそのツアーを演っているという

ことが、何てかっこいいんだろう!と思ったわけ。

 

本人も「がっかりしたでしょう。でも、僕はこういうコンサートでは

ほとんど新しい曲しか演りません」と話していた。さらに「こんな時

代に仕事がある、ってことに実は感謝しています」と。男、沢田研二、

ますますファンになってしまった私。

 

話は全く変わって、オリンピックを見ていて感じたこと。いえ、特定

の選手がどうのこうの、ってことじゃありませんが…。スポーツ選手

があまり美しく見えないなぁ、と。私はへそ曲がりであるからして、

自分探しにモデルちゃんとでかけたりするサッカー選手も、球界の先

輩をリスペクトせず「おっさん」などと発言するメジャーリーガーも、

大嫌いだ。尤も彼らは人気投票では常に上位にランクインしているから

世間の人々は、彼らが大好きだということになる。

 

私が辟易するのは、近ごろのスポーツ選手が「感動」という言葉を

やたらと口にすることだ。自分が感動すれば、見ている人も「感動」

するんだと勘違いしている。アルベールビルで、演技の最初に失敗

したトリプルアクセルに果敢に挑戦して銀メダルに輝いた伊藤みどり

さん。私はあの時に、金メダルよりも輝かしい銀メダルがあることを

知った。それこそ「感動」した。

 

何を言いたいのか?「感動を与えられるような選手に」与えられる、

って、別にお願いしていませんが…。こういう言い方がどうにも。

以前書いたが「自分を褒め(てあげ)たい」も然り。言葉がどうにも

定型化していて、それをやたらとみんなが使うから、誰のインタビュ

ーも同じように聞こえる。

 

ズボンを下げて、ネクタイをゆるめた選手の言葉の方が、自分の言葉

で話そうとしているようで、本心が伝わってきて、私的には好感が持

てた。なぜだろう?亀田ファミリーや、朝青龍は好きになれないが

(とこう書くと本当の彼らはとってもいい人で…となるのだが、だっ

たら最初からいい人でいれば、と私は思う)彼には嫌悪感を感じなか

った。あ、行為は叱られて当然だと思いますよ。だって、クラスに

ひとりくらいいたでしょ、ああいうタイプ。みんなで「それ、先生に

叱られるから、やめとけ」って、みんなに注意される奴が。

 

今日はこの辺りで。


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浅川マキさん [思い出・雑感]

浅川マキさんが亡くなった。実は、その亡くなった日、つまりコンサート

会場に姿を現さなかったあの時、私はコンサート会場のライブハウスに

いたのだ。定刻になってもやって来ない浅川さんを心配して、ライブ

ハウスの人がホテルに連絡を入れた。しばらくして、店の人は浅川さんは

バスルームに倒れていて、今、救急車で搬送されました、と教えてくれた。

 

ただ、まさか亡くなっているとは思いもしなかった。お酒でも飲み過ぎて

倒れたんだろう、くらいに思っていた。その店で偶然テーブルが一緒になった

ゲイの圭ちゃん(洒落じゃないっす)たちと盛り上がっていた。

 

あれからどうなったんだろうな、と思っていた翌日の午後、圭ちゃんが訃報を

伝えてくれた。浅川マキさんはあの時、既に亡くなっていたのだ。

 

思い返せば、私が高校3年の頃、浅川マキをしょっちゅう聴いた。それは

ロック喫茶でバイトをしていて、お客さんからよくリクエストされたからだ。

特に女性客に人気があった。そしてもちろん、私自身もあのかすれた独特の

ムードを持った彼女の歌声に魅了された。

 

高校を出てからしばらく東京にいた。その頃、浅川マキさんは、確か南浦和

かどこか、その辺りのライブハウスによく出演していたように覚えている。

しかし、当時は当たり前だが、まったくお金もなく、それこそ行きたい気持

ちはあっても、行けなかった。

 

「夜が明けたら」「かもめ」「ちっちゃな時から」などが聴きたくなって、

昔持っていたアナログ盤(浅川マキの世界Ⅰ)を最近オークションで手に入れ、

さて、コンサートがあったら聴きに行こう、と思っていた矢先、名古屋で

ライブがあることを知り、チケットを申し込んだのだ。

 

私は結局、浅川マキさんのライブをこの目で見ることはできなかった。

 

ご冥福をお祈りします。加藤和彦さんに続いて、実はショックでした。


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