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09今年も原爆について。 [戦争・原爆・日本人]

8月15日。終戦の日は過ぎてしまった。仕事が忙しくて更新し

なくては、と思いながらできなかった。遅ればせながら、戦争に

ついて書こうと思う。

 

もちろん私は戦争を知らない。よく言われる(既に過去形になっ

ていて、よく言われた、になっているかもしれない)この「戦争

を知らない」という言葉。

 

おそらくあの有名な曲「戦争を知らない子どもたち」から、よく

耳にする言葉になったのではないだろうか。ところで、ここで

言う「知らない」は「経験していない」という意味であったはず

だが、最近は本当に戦争そのものがあったことや、戦争というも

のがどういうものであるのかを「知識として持っていない」こと

を指し示すようになってきたように思う。

 

つまり「知ろうとしない」「関心がない」「どっちでもいい」と

いうような時代に(日本が)なってきたと。こういうことだろう。

 

私たちの世代は、親が戦争経験者であった。昭和29年生まれの

私は、戦後9年目に生まれた。当時の親は20歳で子どもを持っ

たとしても、終戦の時には11歳だ。29年に30歳で親になれば、

終戦の時は21歳だった。

 

だから、よく戦時中の話を聞かされた。満州から帰還した親戚の

おじさんの話。フィリピンで戦死した知り合いの話。三菱の工場で

飛行機を作っていた話。防空壕へ逃げ込んだ際の話。芋の蔓を食べ

た話。恋人が戦死した人の話…。たくさん、たくさん聞かされた。

 

とは言え、悲しい話や辛い話ばかりでもなかった。勇ましい話も

それなりに聞いた。それは、資源さえあれば、日本の技術力はどの

国にも負けない!といったようなことだった。だから、敗戦国の

子どもは、それでも日本という国に誇りを持ちたくて「零戦」や

「大和」に夢中になった。

 

零戦に乗って敵機を次々に撃墜する日本人。気分はまるで坂井三郎

のような撃墜王になって、子どもの頃は戦争の悲惨さには目もくれ

なかった。

 

そんな子どもたちは成長と共に、いかに日本人にとって戦争が過酷

なものであったかを徐々に知るようになる。そしてその象徴が

「原爆」だった。それまで本土空襲の話や、沖縄地上戦の話を聞か

されても、もうひとつぴんと来なかったが、「原爆」の話だけには、

なぜだか猛烈な憤りを感じた。

 

ものごころが付き自分なりに戦争のことを考えてみた時、相変わらず

どうしても割り切れないもの。それは「原爆」だった。確かにその後、

東京大空襲の様子などを知れば、市井の人々を巻き込んだ大量殺戮に

明らかに怒りを感じたが、それはずっと後だ。

 

それは私が日本人だから?最近、その謎がやっと解けてきた。それは、

あれが「正しかった」と述べるアメリカ人が多いからだと…。

 

先日の新聞にも載っていたが、アメリカ人の男性の実に72%が、

原爆投下は(戦争終結、あるいはあれ以上のアメリカ兵の犠牲者を

ふやさないために)正しかったと答えている。

 

共和党支持者に限定すれば、アメリカ人男女の74%だ。(民主党

支持者は49%)

 

以前にも書いたが、正しい、ということであれば、それは再び同じ目的

であれば用いてもいいのではなかろうか?つまり、朝鮮戦争でも、ベト

ナム戦争でも、イラク戦争でも、アメリカが介入した戦争全般に原爆を

用いればいい。正しい、とはそういうことではないか。

 

あの時は、正しい、と思ったが…。実は、とんでもないことをして

しまった。大変なことをしてしまった。と答えるのが、私としては

それこそ「正しい」と思うのだが。

 

原爆投下の日も、終戦の日もとうに過ぎてしまい、書きかけのこの記事

をまとめられず悶々としていた。誰も待ってはいないとは思うが、

今年も8月に戦争についての記事をアップする。


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コメント 3

toro

私は母から中国から引き揚げてきた話を、ずいぶんと聞かされました。
その中国では、軍人さんたちの出入りがあるような家だったらしく、
なかなか血なまぐさい話も聞いています。
アメリカ人は…原爆がどのようなものかも知らない人が多いようで、
初めて知った若者は相当驚くようですね。なんといいますか、日本も
そうですが、ちゃんとした教育がされていないというのが実情なんだと
思います。
実際の軍人さんたちは、職業軍人もいたでしょうから、「正しい」と
言わざるを得ない人もいるんだと思います。
善悪がわからなくなってしまう不幸というのもあるのでしょう。
私は教育の恐ろしさを感じます。
by toro (2009-08-25 08:20) 

engrid

戦争とか非日常の環境に身をおかれた時に 正常な判断能力が鈍くなることが恐ろしいです。 惑わされるというか、数に巻き込まれるとか 声高に述べられる主張があたかも 今まさに正しい判断であると、思いこまされる状況がつくられていくことがあるのではないでしょうか。その時代に、善悪の判断を、間違うことなくできるかと問われれば 自信はありません、でも 振り返った時に、繰り返さない戒めは忘れずしたいです。
by engrid (2009-08-28 23:05) 

okko

これ以上云々は、日本人も含めて考えたこと、と大義名分にはなっていたと記憶しています。
語り伝える、と世間では簡単に言われますが、現実の体験はとても伝え難い。
おっしゃるように、いま、この時間にも地球のどこかで戦いが行われ、命が失われている現実に、もっと深い関心を、特に若い世代にはもってもらいたいですね。
by okko (2009-09-06 12:42) 

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